更新日:2024/9/9
次世代介護士の育成と地域社会の関わり
こんにちは<m(__)m>
現在、福祉業界では人不足が深刻な問題となっており、皆様も現場では「人が足りない、人不足だ」との声をよく耳にし、実感しているところかと思います。
外国人の実習生、特定技能を導入し、絶対的人数を確保している施設さんも増えてきておりますが、次世代を育てていく事も忘れてはいけません(^^)/
今回は、地域の次世代介護士の育成についてご紹介いたします。
次世代の介護士育成と地域社会の関わり
高校生と小学生の介護体験から学ぶこと
日本の高齢化が進む中、介護現場では次世代の担い手となる若者たちの育成がますます重要となっています。岐阜県大垣市で行われた高校生の介護技術交流会や、松山市での小学生と親子による介護体験教室は、その一環として注目されています。
これらの取り組みは、介護士を目指す若者だけでなく、地域全体で介護に対する理解と関心を深める良い機会となっています。
岐阜県大垣市で開催された岐阜県介護技術交流会には、岐阜各務野高校、大垣桜高校、坂下高校、益田清風高校、岐阜清流高等特別支援学校の生徒たちが参加しました。生徒たちは三人一組で、二人が介助者役、一人が利用者役となり、7分間の実技を披露しました。設定は、右半身が麻痺し難聴を持つ85歳の女性の介護という具体的な状況です。
この実技の中で、生徒たちは利用者の着替えを補助し、車いすのブレーキを確認するなどの基本的な安全確認を怠らず、利用者の嗜好に合わせた会話を取り入れるなど、細やかな心遣いを見せました。実技後には「難聴の方なので分かりやすい言葉遣いを心がけた」や「リハビリの成果を褒めて意欲を引き出した」といった工夫を説明し合い、互いに学び合う姿勢が見られました。
松山市の介護体験教室:小学生と親子の学び
松山市で開催された介護体験教室では、小学生とその親が参加し、介護についての理解を深めました。
参加者はまず、異なる高さの台に腰掛けて、筋力が低下したお年寄りが立ち上がる際の困難を体感し、その後、いすに座布団を重ねて高さを確保することで、介助なしでも立ち上がりやすくなることを学びました。このように、過度に手助けするのではなく、利用者の機能を最大限に活用する介護の重要性が強調されました。
また、親子で車いすの正しい押し方や段差の乗り越え方を体験しながら学び、参加した小学4年生の男の子は、「困ったお年寄りを見かけたら声をかけて助けたい」と話し、介護への理解と優しさが芽生えた様子が伺えます。講師を務めた県在宅介護研修センターの金田由美子センター長は、介護の事前準備の重要性を説き、こうした体験が子どもたちにとって大きな学びとなることでしょう。
次世代育成の重要性と介護現場の課題
このような取り組みは、次世代の介護士育成において重要な役割を果たしています。
校生の介護技術交流会では、実技を通じて具体的な介護技術だけでなく、
利用者に対する思いやりやコミュニケーションの大切さを学びます。
一方、小学生とその親による介護体験教室は、若い世代に介護の現実を知ってもらい、
将来的に介護の仕事に興味を持つきっかけを提供します。
しかし、介護現場には依然として多くの課題が残っています。
深刻な人手不足や賃金の低さ、過酷な労働条件などが挙げられます。
これらの課題を解決するためには、国や自治体、介護施設が一丸となって取り組む必要があります。
例えば、介護職員の処遇改善や労働環境の整備、さらには地域社会全体での支援体制の強化が求められます。
今回の岐阜県介護技術交流会や松山市の介護体験教室のような取り組みが全国で広がり、
介護に対する理解と関心が深まることは、介護業界全体にとって非常に重要です。
若い世代が介護の現場に興味を持ち、将来的に介護士として活躍することで、
人手不足の解消や介護サービスの質向上が期待できます。
また、地域社会全体で介護を支える意識が高まることで、
介護を受ける高齢者にとっても安心して暮らせる環境が整います。
介護は決して一部の専門職だけが担うものではなく、地域全体で支え合うべきものです。
今回のような交流会や体験教室を通じて、次世代の介護士育成と
地域社会の連携が強化されることでしょう。
このような輪を広げ、地域社会全体で介護を支え合い、
より良い介護環境を築いていくために、共に努力していきましょう。