更新日:2024/9/6
薬剤師が今日から使える特定薬剤管理指導加算のポイント ~2024年6月改定調剤報酬改定を読み解く~
こんにちは。薬剤師の皆さんに向けたコラムシリーズの第一弾です。今回は、薬剤師としての専門的なスキルを活かし、患者さんの健康をサポートするために欠かせない「特定薬剤管理指導加算」のポイントについて解説します。このコラムでは、特に「ハイリスク薬」に関する注意点と、患者フォローアップのコツを中心にお話しします。
特定薬剤管理指導加算1イ「ハイリスク薬」(10点)
特定薬剤管理指導加算1イは、ハイリスク薬を対象とする加算であり、薬剤師の責任が非常に大きい領域です。糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬やDPP4阻害薬、βブロッカーなどが典型的な例です。
1. 糖尿病治療薬の注意点
例えば、フォシーガ®錠(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)やジャディアンス®錠(一般名:エンパグリフロジン)といった糖尿病治療薬では、患者の血糖管理や副作用に注意が必要です。SGLT2阻害薬の場合、ケトアシドーシス(体内でケトン体が過剰に生成されること)がリスクとして挙げられます。特に、患者が食事制限をしていたり、脱水状態に陥っていないか確認することが重要です。また、DPP4阻害薬では、吐き気や下痢、便秘といった軽度の消化器系副作用に注意が必要です。服用開始後の1週間を目安に、体調や食事摂取に問題がないか確認のフォローをしましょう。
2. βブロッカーの適応と副作用
βブロッカーは、不整脈薬としての使用だけでなく、心不全や高血圧での処方も増えています。この薬剤を服用している患者に対しては、めまいやふらつきがないか確認することが重要です。副作用の有無に関わらず、経過を医師に報告することで、患者の安全を確保するとともに、医師からの信頼を得ることができます。
3. フォローアップの重要性
ハイリスク薬を処方された患者には、定期的なフォローアップが不可欠です。例えば、副作用のリスクが高い薬については、2~3日後に電話で確認し、患者が安心して服薬できる環境を整えましょう。薬剤師が積極的にフォローを行うことで、患者の安心感を高めるだけでなく、医師との連携も強化されます。
特定薬剤管理指導加算1ロ「5点」
5点加算は、糖尿病患者に対する日常的な指導を含みます。特に年末年始の時期には、忘年会や新年会での食生活の乱れや飲酒によるリスクが高まります。メトホルミンを服用している患者の場合、乳酸アシドーシスのリスクが増すため、飲酒量の増加や脱水症状に注意が必要です。患者には、十分な水分補給とアルコールの摂取制限についてアドバイスし、問題がないか定期的に確認しましょう。
まとめ
薬剤師として、特定薬剤管理指導加算を活用することで、患者さんの安全と健康を守ることができます。特にハイリスク薬を扱う際には、適切なフォローアップとコミュニケーションが不可欠です。もし、より患者さんに寄り添った働き方を考えている場合は、職場環境を見直すことも一つの選択肢です。私たちの転職サポートサービスでは、皆さんのキャリアをサポートする情報を提供しています。お気軽にご相談ください。
次回は、さらに具体的な事例を基に、実際の現場で役立つ知識をお届けします。