更新日:2024/9/12
謎の感染症「オロプーシェ熱」に警戒
こんにちは、こんばんは
蒸し暑い日が続いておりますが、皆様夏を楽しんでおりますでしょうか?^^
水遊びや虫取り等、様々な楽しみ方があると思いますが、そんな中気になる情報がありましたので、皆様にお届けしようと思います。
昆虫が媒介するウイルス感染症「オロプーシェ熱」
最近、昆虫が媒介するウイルス感染症「オロプーシェ熱」への警戒が強まっています。
2024年の初めから8月1日までに報告された感染症例は8,000例を超え、そのほとんどが南米からの報告ですが、これまで感染が確認されていなかった国々でも発生が見られています。
さらに、米国や欧州でも渡航関連の感染症例が数十例確認されている状況です。
世界保健機関(WHO)の汎米保健機構は、南北アメリカ地域でのオロプーシェ熱に対する公衆衛生リスクを「高」に引き上げ、注意を呼びかけています。
米疾病対策センター(CDC)も、キューバから米国に帰国した少なくとも21人が陽性反応を示したことを受けて、医療機関や保健機関に対して警戒を強化し、特に妊婦には感染が確認されている地域への渡航を控えるよう勧告しています。
オロプーシェ熱とは?
オロプーシェ熱の名は、1955年にウイルスが初めて発見されたトリニダード・トバゴの村に由来します。
それ以来、約50万の症例が記録されていますが(これまでにブラジル、エクアドル、パナマ、ペルー、トリニダード・トバゴ、コロンビア、アルゼンチン、ボリビア、ベネズエラ、フランス領ギアナにおいて農村部や森林地帯を中心に患者が報告されており、ブラジルでは特にアマゾン熱帯雨林を中心に複数の州で集団発生と散発感染が報告された。)この病気に関する情報はまだ限られており、「謎めいた脅威」として知られています。
感染者の約60%は、発熱や悪寒、頭痛、筋肉痛、関節のこわばりといった症状を呈します。まれに神経系に感染が広がり、髄膜炎や脳炎を引き起こすケースもあります。
ウイルスはヌカカという小さなハエや特定種の蚊によって人に感染します。
今年は初めて、オロプーシェ熱による死亡例や妊婦から胎児への感染が報告されました。
ブラジルでは、若い女性2人の死亡が確認されており、中年男性の死亡例についても現在調査が進められています。
また、妊婦の感染によって胎児が死亡したり、小頭症などの先天性疾患が発生したケースも少なくとも5例確認されています。
オロプーシェ熱はまだ多くの謎に包まれていますが、感染拡大を防ぐためには、昆虫に刺されないような対策を徹底し、リスクの高い地域への渡航は避けることが重要です。
特に妊婦や免疫力の低下した人々は注意が必要です。最新の情報に注意し、必要な予防策を講じることが求められています。
治療・予防(※NIID 国立感染症研究所 引用)
オロプーシェ熱に対するワクチンや特異的な抗ウイルス薬等はない。したがって、媒介昆虫対策が重要である。オロプーシェウイルスに感染するリスクを減らす主な手段は吸血昆虫に吸血されることを避けることである。そのためには吸血昆虫の防除が必要である。オロプーシェ熱の発生地域においては吸血昆虫との接触を防ぐため肌の露出をさけ、N,N-diethyl-3-methylbenzamide(DEET:ディート)あるいはイカリジン(ピカリジン)等を含む忌避剤を適切に使用することなどが重要である。
※NIID 国立感染症研究所
www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/12746-oropouche-intro.html