更新日:2022/11/27
新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「ゾコーバ錠125mg」について/業界情報
2022年11月22日付けで新型コロナウイルス感染症治療薬の「ゾコーバ錠125mg」が緊急承認されました。
薬剤師さんのために、用法・用量と投薬時の注意点をまとめました。参考にしてください。
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< 用法・用量>
通常、12 歳以上の小児及び成人にはエンシトレルビルとして 1 日目は 375mg を、2 日目
から 5 日目は 125mg を 1 日 1 回経口投与する。
<エンシトレルビル フマル酸(商品名:ゾコーバ錠)投与時の注意点>
1) 本剤は、COVID-19 の 5 つの症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳の呼吸器症
状、熱っぽさまたは発熱、倦怠感(疲労感))への効果が検討された臨床試験にお
ける成績等を踏まえ、高熱・強い咳症状・強い咽頭痛などの臨床症状がある者に処
方を検討すること。また、本剤の処方の対象者に関しては、今後の臨床試験等の結
果も踏まえた検討が必要となる。
2) 重症度の高い COVID-19 患者に対する有効性は確立していない。なお、重症度が高い
とは、概ね中等症Ⅱ以上が該当すると考えられる。
3) 「3. 抗ウイルス薬等の対象と開始のタイミング」の項(p.2)にも記載している通
り、一般に、重症化リスク因子のない軽症例では薬物治療は慎重に判断すべきとい
うことに留意して使用すること。
4) 本剤においては、重症化リスク因子のある軽症例に対して、重症化抑制効果を裏付
けるデータは得られていない。
5) 本剤の有効性は症状発現から 3 日目までに投与開始された患者において推定されて
おり、SARS-CoV-2 による感染症の症状が発現してから遅くとも 72 時間以内に初回投
与すること。
6) 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中の全ての薬剤を確認す
ること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を追加する場合、相互作用を確認す
ること。本剤は、CYP3A 誘導薬との併用に係る薬物相互作用、CYP3A に対する強い阻
害作用、P-gp、BCRP、OATP1B1、OATP1B3 に対する阻害作用などを有するため、薬物
間相互作用に注意する。
7) 妊婦又は妊娠する可能性のある女性には投与しないこと。
? 問診で直前の月経終了日以降に性交渉を行っていないことを確認する。妊娠の可
能性が否定できない場合は、本剤を投与しないこと。
? 投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認することが望ましい。な
お、妊娠初期は妊娠検査で陰性を示す可能性があることに注意する。
? 妊娠初期においては、妊娠しているにもかかわらず、妊娠検査で陰性を示す場合
があることを患者に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
ウサギにおいて、臨床曝露量の 5.0 倍相当以上で胎児に催奇形性が認められると
ともに、臨床曝露量の 5.0 倍に相当する用量で流産が、臨床曝露量の 7.4 倍に相
当する用量で胚・胎児生存率の低下が認められている。
8) 授乳婦は、授乳しないことが望ましい。ラットにおいて、乳汁への移行が認められ
るとともに、母動物に毒性が認められた用量(臨床曝露量の 6.6 倍相当)で出生児
の生後 4 日生存率低下及び発育遅延が認められている。
9) 腎機能の程度別[eGFR(mL/min/1.73m2)、正常:90 以上、軽度障害:60 以上 90 未
満、中等度障害:30 以上 60 未満]における血漿中 Cmax及び AUC に差異は認められて
いない。そのため軽度、中等度腎機能障害患者において用量調節は不要と考えられ
る。ただし、重度腎機能障害患者(eGFR 30mL/min/1.73 m2未満)を対象とした臨床
試験は実施されておらず、治療上の有益性が上回ると判断される場合にのみ投与を
考慮すること
10) 軽度肝機能障害患者において、有害事象の発現状況に肝機能正常患者との差異は認
められていない。中等度肝機能障害患者においては、現在実施されている軽度
(Child-Pugh 分類 A)及び中等度(Child-Pugh 分類 B)の肝機能障害を有する被験
者を対象とした臨床薬理試験結果が出るまで、治療上の有益性が上回ると判断され
る場合にのみ投与を考慮すること。
引用元:厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部 事務連絡
●製品情報サイト
www.shionogi.co.jp/med/products/drug_sa/xocova.html