更新日:2025/5/13
2025年度「介護テクノロジー導入支援事業補助金」の全国展開と活用法

介護業界が直面する人材不足と業務効率化の課題に対応するため、全国各地で2025年度「介護テクノロジー導入支援事業補助金」の申請受付が始まろうとしています。今回は、各地域の最新動向と補助金を効果的に活用するポイントをご紹介します<m(__)m>
注目される補助金申請スケジュール
2025年度の補助金申請に関して、地域ごとに準備が進んでいます。5月14日開催の「介護テクノロジー活用支援セミナー」(会場:ATCエイジレスセンター)への参加が申請要件となる地域があります。参加形態は会場またはオンライン、アーカイブ配信も利用可能です。
他にも、山形県では5月22日、23日開催のいずれかへの参加が申請要件とされています。長崎県では5月中旬に、島根県では7月頃にそれぞれ申請開始を予定しています。その他の都道府県でも「昨年度よりは早めに、夏頃までの開始を目指したい」との声が聞かれます。全国的には7月がピークとなる見込みです。
注目すべき補助金の新要件
居宅介護支援・居宅サービス事業所が補助金申請を行う場合、2025年度中にケアプランデータ連携システムを利用開始することが新たな要件となります。申請はWEBのみとなり、テクノエイド協会のTAISシステム「介護テクノロジー情報」の掲載製品を対象とすることも明示されています。
多くの地域で補助割合は導入費の4分の3を維持する見込みです。申請が予算を超過する場合は抽選となる可能性があるため、早めの準備が推奨されます。
補助対象の拡大
今年度から補助対象が拡大され、「機能訓練支援」「食事・栄養管理支援」「認知症生活支援・認知症ケア支援」を追加した9分野16項目が対象となります。
国の重点分野の見直しに伴い、以下の項目が対象に加わりました:
- 「移乗支援(非装着型)」「入浴支援」として吊り下げ型リフト
- 「排泄支援(排泄予測・検知)」では排泄予測に加え、排泄直後に通知する機器
- 「生産性向上に資する福祉用具(訪問介護事業所でのスライディングボード等)」
- 「バックオフィスソフト(電子サインシステム、給与、勤怠管理等)」
- 「バイタル測定が可能なウェアラブル端末」
補助上限額の変更
1台あたりの補助上限は多くの製品で30万円ですが、「移乗支援(装着型・非装着型)」「入浴支援」に該当する機器は上限100万円となる見込みです。介護業務支援に該当する介護ソフトは職員数により最大250万円となります。
注目すべき点として、昨年度までの1施設・事業所の最大上限(500万円)が撤廃される地域も出てきています。また、機器導入に付帯して必要となるWi-Fi環境整備、スマホ、タブレットなどの経費も対象に含まれます。
ICT連携によるパッケージ型導入への手厚い補助
国の重点分野の見直しを受け、バイタルや使用状況などのデータを集約し、介護ソフトに集約・解析する「パッケージ型導入」に対して、上限額1000万円までの手厚い補助が期待されます。
具体的には以下のICT系介護テクノロジー機器から、介護業務支援ソフトにデータを集約・解析するためのシステム構築が対象です:
- 排泄支援(排泄予測・検知)
- 見守り(施設)(在宅)
- その他連携可能な介護テクノロジー
採択優先度を高める方法は?
補助決定が優先的になる要件として、「働きやすい職場環境づくり伴走支援プログラムの参加」「介護現場におけるはじめてのICT導入・活用セミナーの受講」(6月6日、ATCエイジレスセンター)が設定されています。
これらのプログラムでは、「現場の課題の見える化」「実行計画の立案」「改善活動の取組」「取組成果の発表」など年間5回の研修に加え、訪問やチャットツールを活用したフォローアップにより、専門家が介護現場の生産性向上の取組を伴走的にサポートします。
※専門家にお困りの際にはジョブナビへお気軽にご相談下さい^^
効果的な補助金活用のために
- 早めの情報収集と計画立案
各都道府県の補助金情報を早めに入手し、導入計画を立てましょう。 - 必要な研修・セミナーへの参加予約
申請要件となる研修やセミナーへの参加を早めに予約しましょう。 - ケアプランデータ連携システムの検討
居宅系サービスでは、ケアプランデータ連携システムの導入が必須となる場合があります。 - パッケージ型導入の検討
より高額な補助が受けられるパッケージ型導入の可能性を検討しましょう。特にデータ連携・分析によるケアの質向上を目指す場合に有効です。 - 専門家による伴走支援の活用
単に機器を導入するだけでなく、業務改善や職場環境改善と一体的に進めることで、補助金採択の可能性を高めるとともに、実質的な効果も期待できます。
2025年度の介護テクノロジー導入支援事業補助金は、単なる機器導入支援にとどまらず、データ連携・分析を通じたケアの質向上や、業務効率化による働き方改革を強く志向しています。各事業所の課題を的確に把握し、最適なテクノロジー導入を計画することで、人材不足時代を乗り切る経営基盤の強化につなげていきましょう。